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『落っこちてきた天使』 下
2007 / 12 / 16 ( Sun )
「わかった?」
天使の声に幸平はハッとわれにかえりました。
気がつくと、いつの間にか自分の部屋にいます。

「あれ? 君は雲の上でいっしょにいた天使?」
「今ごろ気がついたの? やれやれ」
「でも、どうしてそんなにちっちゃくなったの?」
「大きくも小さくも自由自在さ。エネルギーの運動と関係がある。
まっ、今の君には、まだ理解できなくて当然だけどね。
でも、学ぶ気になれば、何でもわかるよ。
何しろ、君のDNAには宇宙のすべてがつまっているんだからね」
「ふうん。(ほんとかなあ?)」
 
幸平は大事なことを思い出しました。
「あのう、ところで、ぼくの役割は結局なんなの?」
すっかり天使に甘えています。
「それはナ・イ・ショ。自分で探さなきゃ!」
幸平はちょっぴり恥ずかしくなって、うつむいてしまいました。

「日本という平和な国に生まれてきたということ。
そして、この家に生まれてきたということ。それが大きなヒントかな」
幸平は、戦争中の国や貧しい国の子どもたちのことを思い出していました。
あの子たちに比べたら、ぼくは何と恵まれているのだろう。
学ぶ気になればいくらでも自由に学べる。
そうか! 勉強するということは、生まれてきた意味を知るためなんだ。
ぼくの役割を見つけるために学ぶんだ。
「何だ、そうだったのか!」

「やっとわかったようだね」
天使はニヤリとしています。
「おまけだよ!」杖を一振りして言いました。「お母さんの心の中を見せてあげよう」

 
最近、幸平が学校に行けなくなったのは、私に責任があるかもしれない。
幸平が生まれたとき、世界の平和と幸せのために
役に立つ立派な人間に育ってほしいと願って『幸平』と名づけたはず。
そんなことはすっかり忘れて、幸平の顔を見ては「勉強しなさい」とばかり言っていた。
なぜ勉強するのか一緒に考えたり、話し合うこともしなかった。
 
私が幸平と同じ年頃には、マザー・テレサの伝記を読んでとても感動した。
大人になったら、世のため、人のために尽くせるようになりたいなあと思っていた。
 
それなのに、今では目先のことに振り回されて、毎日不満ばかりこぼしている。
忙しさにかまけて、いつの間にか自分たち家族のことしか考えない人間になってしまった。
自分たちが幸せになれば、人のことはどうでもいい、とさえ……。
 
幸平は何もいわなくても気づいているのかもしれない。そんな生き方はどこかおかしい、と。
これからは幸平と正面から向き合って、何でも話せるように努力しよう!
 

「もうひとつおまけ」
天使はそう言うやいなや、またもやサッと杖を振りました。
 
公園に勇太がいました。めずらしくひとりです。ブランコに座ってボーッとしているようです。
何やらひとり言をつぶやいています。
「幸平のやつめ。あいつが悪いんだ。亮介が転校して、さみしそうだから、
一緒に遊ぼうと思って声をかけたつもりなのに……。
照れくさくて、からかい半分に言ったのが悪かったのかなあ。
ビクッとした顔でにらみつけられたら、つい、いじめたくなっちゃって……。
 
オレは幸平がきらいなわけじゃないんだ。あいつは素直だし、それに誰に対しても親切だ。
ほんというと、そんな性格がちょっぴり羨ましいくらいなんだ。
でも、グズグズ煮えきらない態度は許せない!」
勇太は足元の小さな石ころをポーンと蹴飛ばした。
「でも、やっぱり、気になるなあ。早く学校に来いよな」


「『敵は愛すべきもの』って言葉、知ってる?」
幸平の驚いた顔を見て、天使はニンマリ。
「君がもっとも嫌っている人、苦手な人こそもっとも大切な何かを学べる相手なんだよ」
幸平はすっかり考え込んでしまいました。
 
そういえば、ぼくも勇太のことがうらやましかったのかもしれない。
いつも元気いっぱいで、小さなことにクヨクヨしない。
ガキ大将っぽいとこもかっこいい。ぼくのことさえいじめなかったら、
友だちになってやってもいいくらいだ。 アレッ? なに言ってんだろ。不思議な気持ち(?)

「少しはわかったかな?」
天使は杖をクルクル回しました。クリスタルの星がキラキラまぶしく輝いています。
幸平は何だかホッとしました。
「ぼくはひとりぼっちなんかじゃないんだ」


「幸せになるための“近道”。最後に、とっておきの『天の秘密パートⅡ』を公開しよう」
『天の秘密』と聞いて、幸平の胸はまたドキッとしました。

「いつもニコニコ笑顔で、誰にも親切に優しくすること。感謝の気持ちを持つこと」
なあんだ、そんなことか。幸平は期待を裏切られたようで、がっかりしました。

「いいかい? 真理はいたって単純明快なんだ。
でも、これはね。簡単そうで実はとっても難しいことなんだ。特に今の地球ではね。
自分さえよかったら、他人のことなんかどうでもいい、という人がいっぱいで、
地球はすっかり病んでいる。わかるかい? ぼくには、地球の悲鳴が聞こえる……」
天使の目にうっすらと涙が浮かんでいます。

「もう一度言うよ! みんなが“思いやり”という宝物を持っていることに気づき、
『幸福と平和に満ちた地球づくり』に貢献すること。
すなわち持って生まれた役割を果たすこと……」
 
天使の言葉を継いで幸平は叫びました。
「それが、『宇宙の法則』なんだ!」
天使は満足そうにうなずきました。

「それでは、ぼくはそろそろ消えるよ」
「エッ! もう行っちゃうの?」
「そんな情けない顔しないで。いつでも困ったときはぼくを呼ぶといい。
ぼくはいつも君の心の中にいるから」
そう言うやいなや空に向かって、天使は杖でまあるく円を描きました。
虹色の光があたり一面に広がりました。

 
幸平は空高く羽ばたく天使の姿が見えなくなるまで、いつまでもいつまでも見送っていました。


「幸ちゃん! ごはんよ」
遠くからお母さんの声。
気がついたら、ベッドの上にいました。
なんだ、夢を見てたのか?

「はあい!」
幸平は元気よく返事をして、ダイニングに向かいました。
ぐっすり眠ったせいか、頭の中がすっきりして元気になったような気がします。
家出はやめることにしました。竹じいちゃんには来年また会えます。
それに明日は学校に行けそうな予感がしてきたからです。

 
 
机の上で、地球儀がゆっくりとまわっています。
  
そばには小さな白い羽根が一枚落ちていました。

                          〈終〉



まこりんさんの日記より




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